農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見1 地域資源にあふれている

廃校

地域資源

じつは、活かせるインフラも豊富

季刊地域30号(2017年夏号)80ページ


 統廃合などで閉校となった学校のこと。少子化による児童数の減少や市町村合併に伴い年々増加。近年は、小学校だけで毎年300校前後、中学校や高校も合わせると400〜600校もの公立学校が閉校している。2015年1月には文科省から通称「学校統廃合の手引き」(正式には「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」)が公表されるなど、子供の少ない過疎地域では特に、「適正規模化」を理由に閉校推進の動きが強い。

 学校は地域を担う人材を地域で育てる場。地域と家庭をつなぎ、防災や地域行事の拠点としても重要な役割を果たしてきた。思い出のたくさん詰まった学校がなくなることは、地域全体の活力を低下させるだけでなく、子育て世代の域外流出をも招く。

 過疎地の小規模校は、「非効率で費用の無駄」「少ない人数だと教育効果が落ちる」と批判されがちだが、教育は医療や福祉などと同様、効率や経済の視点だけから考えると間違う。田舎の小規模校は、地元の自然豊かな環境や、その自然とつきあう能力を持つ人材に力を借りるなど、独自の教育ができる。人数が少ない分、一人一人に存在感が出て自尊感情も育まれやすく、教育効果もじつは高い。田舎に移住したい子育て世代にとっても、そうした学校があることが、地域の魅力となる。

 実際、UIターンの増加などで、休校していた学校が再開校する動きも、わずかながら出てきている。学校を閉じるか再開するかの決定権は、国や県ではなく、市町村自治体にある。再開校は住民の強い思いと首長の決定次第で実現することなのだ。

 だが現実には、残念ながら閉校となってしまった学校施設が、日本中どこの地域にもある。そしてこれを、違う形の「地域の宝」につくりかえる「廃校活用」が各地で盛んだ。子供の少なくなった今の時代の地域には、また別の必要なものがある。校舎だけでなく体育館や調理室など、多様で立派な施設を持つ元学校は、加工所にも、直売所にも、農村体験できる宿泊施設にもよし。ゼロからつくるより費用も断然安くすむ。愛着のある学校だ。生まれ変わって、またみんなの拠りどころとなり、地域を元気にする拠点となる。

→「特集 廃校どう生かす?」4号(2011年冬号)、「特集 廃校にさせてたまるか」21号(2015年春号)

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