農村力発見事典 『季刊地域』の用語集 59ワード

農村力発見1 地域資源にあふれている

耕作放棄地

地域資源

荒れ地だって、活かせば宝

季刊地域30号(2017年夏号)72ページ


 5年に1度の農林業センサス調査で「耕地のうち、1年以上作付けせず、しかもこの数年の間に再び作付けする考えのない耕地」として回答のあったもの。調査ごとに増加し、2015年には全国で42万3000haにも上った。似たような言葉に「遊休農地」や「荒廃農地」があるが、これらは農業委員会の毎年の調査・判定によるもの。

 耕作放棄地は、病害虫の発生源になる、景観や治安が悪化する、鳥獣害を増大させるなどのマイナスイメージがある。そもそも営農に適さないから耕作放棄されているわけで、営農再開は容易ではない。だが近年、「むらで新しくおもしろいことを始めたよ」という話を聞いていくと、たいがい耕作放棄地が舞台になっている。耕作放棄地を、地域のなかで新しく何かを作付けたり、むらの祭りや楽しみごとを仕掛けたりできる「余地」だと積極的に考えてみると、見方も変わる。耕作放棄地があるから、定年帰農者や新規就農者を受け入れることができる、みんなで特産品に挑戦することもできる……そんな潜在能力として、とらえてみたらどうだろう。

 いろんなことができる。やっている人たちがいる。地あぶらのためにナタネやヒマワリを栽培する。荒れ地でも育ち、栽培に手間のかからないカヤやキクイモを栽培する。草刈り動物と呼ばれる牛やヒツジ、ヤギを放牧する……。もともと荒れていた土地なのだから、ものすごく儲けようと肩肘張る必要はない。柔軟な発想でまずは挑戦。そんな気軽さでつきあえるのも、耕作放棄地のいいところだ。

→「特集 耕作放棄地と楽しくつきあう」9号(2012年春号)ほか

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