横浜市内でも農業がさかんな泉区で忙しいときに日常的につくられたのが、家で収穫した野菜と常備しているさばやいわしの缶詰を使ったカレーです。当時、肉は貴重品だったので滅多に口にすることはなく、さばカレーが一般的でした。 家にある食材ですぐにできるので夏にはよくつくり、近所からカレーのにおいが漂ってく……
日本海に面する府北部では、さば、あじ、いわし、かれいなどの魚介類が豊富に水揚げされ、中でもさばは早くから缶詰での利用が進みました。丹後地方の名物「ばらずし」も、さば缶でつくった味の濃いそぼろをたっぷり使うのが特徴です。さば缶はカレーライスの具にも好んで使われました。魚肉ソーセージのカレーとともに……
ゆでたてのうどんを鍋から箸でひっぱりながら食べることから、この名がついたといわれています。たれは納豆とねぎ、かつお節、醤油を混ぜるだけ。乾麺をゆでて鍋ごと食卓にのせれば、あとはそれぞれが納豆だれにからめながら食べます。手間がかからず簡単で、村山地方などの内陸部では冬の昼食の定番料理とされてきまし……
郡山市西部に位置する湖南町《こなんまち》で食べられている地竹《じだけ》と鯖の缶詰、じゃがいもを入れた味噌汁です。地竹とは、根曲がり竹のこと。湖南町は高冷地で地竹がたくさん収穫できたため、たけのこというと地竹です。5月末から6月中旬頃、暖かくなり地竹がとれるようになると、じゃがいもと合わせてたけの……
奥信濃は豪雪地帯ながら、四季折々の農作物や自然の豊富な食材に恵まれています。ここで「たけのこ」というと、細長い根曲がり竹(チシマザサ)のことです。根曲がり竹がとれる5月下旬から7月上旬は、さばの水煮缶との味噌汁がよく食卓にのぼります。身欠きにしんでつくる家庭もありますが、さば缶は切ったり戻したり……
北海道を代表する肉料理といえばジンギスカンです。昔はどの家にもジンギスカン鍋があり、長い冬は茶の間に新聞紙を敷いて七輪に炭をおこし、夏は野外で炭をおこし、丸い形の冷凍マトンロール肉と野菜をジュージューと豪快に焼きながら家族で食べました。 現在、マトンは輸入品が多いのですが、昔は北海道産でした。羊……
米どころ秋田県ならではの米の粉のおやつです。練った米粉を砂糖と酢で味つけした酢の物でもあります。甘酸っぱくさっぱりとした風味と、とろりとした食感が特徴で、夏によく食べられます。昔は精米過程で出る砕け米(こざき)を使ったため、県南では「こざき練り」とも呼ばれています。 県北西の八郎潟町は昭和20年……