伊吹そばは、県北東部に位置する伊吹山麓で古くから栽培されてきた在来のソバで、実が小粒で香りが強いのが特徴です。かつてはどの家でもソバを育てており、石臼で粉にひいては、そばがきやだんごにして汁に入れたり、大晦日にそばを打って食べていました。最近では家庭でそばを打つことはなくなりましたが、乾麺や生麺……
県西部の山奥、三好《みよし》市祖谷《いや》地域で食べられているそば粉だけで打ったそばです。祖谷は急な傾斜地が続く地形になっており、他の地域との交流も少なく、平家の落人が逃げのびて住みついたという伝説もあるほどです。冷涼な気候なので、昔から稲ではなく、ソバが栽培されてきました。 つなぎを入れずに打……
自家製のそば粉でそばを打ち、自家用畑の野菜をたっぷり使い、ちくわでごちそう感を出したそばです。来客時や大晦日には、飼っていた鶏をつぶして入れました。とくに寒い季節には打ちたてのそばとけんちん汁の組み合わせは格別です。里芋があれば、ぜひ入れたいもの。ボリュームが出てとろみもつき、体が温まります。 ……
わくど汁は、そばのだご汁のことです。椎葉村《しいばそん》の山中に源を発する耳川《みみかわ》流域では、カエルをわくどと呼びます。だんごに火が通ると浮き上がってきて、カエルが顔を出しているように見えることからその名がついたそうです。 村の西端部に位置する向山日添《むかいやまひぞえ》地区では現在も焼畑……