ぼくめしの「ぼく」はうなぎのこと。養鰻場で大きくなりすぎた太いうなぎが棒杭(丸い木の杭)に似ていることからこう呼ばれました。かつての養鰻は露地で行なわれていたため、夏と初冬には池の水を抜いて水の入れ替え作業をしました。その際、土の中に潜っていて成長しすぎたうなぎは捕まえられ調理されて、作業員にふ……
瀬戸内海にある尾道市因島《いんのしま》の中庄《なかのしょう》町や田熊《たくま》町には、秋祭りのごちそうとして「しばずし」をつくる習慣があります。瀬戸内では珍しい発酵ずしで、前もって塩漬けしておいた魚と季節の野菜を、ご飯に麹、たでなどを混ぜ合わせたものと漬けこみ、1週間から半月ほど発酵させます。昔……
料理名の由来はやたらに何でも漬けこむことから、とも、やたらにおいしいから、ともいわれます。このやたら漬けがつくられてきたのは、三方を1000m級の山々に囲まれた県西部の千種《ちくさ》町(現宍粟《しそう》市)の中でも一番奥まった山間部の西河内《にしごうち》で、すぐ近くはスキー場です。雪深い冬を過ご……