明石海峡の速い潮流に抗って泳ぐため、「明石のたこは立って歩く」といわれるほど足が太く短く、身が引き締まり歯応えがよくなります。また、エサが豊富なので甘味が強いともいわれています。たこめしは生のたこやゆでたたこでもつくりますが、干したこはたこのうま味が濃く好まれます。また一年中楽しむことができます……
酸っぱくなった高菜漬けの古漬けをおいしく食べるために考えられた料理です。高菜漬けは阿蘇地域で昔からつくられている漬物。10月頃に種をまき、春、暖かな日差しで大きくなった高菜を1本1本丁寧に手で折りながら収穫して塩漬けにします。漬けてから日が浅い、緑色の「新漬け」はピリッとした辛みが特徴です。長期……
新鮮な魚の焼き身に麦味噌を加えてすり、だし汁でのばした汁を温かいご飯にかけた、南予や中予一帯でつくられている日常的な料理です。つくりおきができるので、おかずがないときにも重宝されました。海に近い地域は海の魚、中山間部では川魚が使われ、魚の種類で味わいの違うさつまが地域ごとに受け継がれています。魚……
国東《くにさき》半島の南で別府湾に面する杵築《きつき》市では、新鮮な魚を使った茶漬けがさまざまに食べられています。中でもこの鯛茶漬けはごちそうで、地元で大変愛されている料理です。杵築の殿様も好み、「うれしいのぉ」とつぶやいたという言い伝えがあり「うれしの」とも呼ばれています。鯛はまず刺身を醤油で……
夏の昼ごはんに食べることが多く、いりこやごまがたっぷり入った味噌味の冷たい汁を、麦めしにかけていただきます。もともとは農村部で食べられていた即席の汁かけめしで、暑くて食欲が落ちたときでも食がすすむことから、今では県内の多くの地域で食べられています。 冷や汁は家庭ごとの味があり、焼いたあじなどをほ……