真いか(するめいか)の水揚げが多い道南地方では、6月に入り旬を迎えると、いかめしをつくります。甘辛のいかの味がよくしみたもちもちのご飯は、もともとは漁師が忙しい漁船の中でもつまんで食べられるようにと考案されたものです。戦時中に函館本線の森駅の駅弁として売られ、やがて全国的に有名になりました。 す……
県沿岸部の三陸地方は、昔から牡蠣やホタテ、ホヤなどの養殖がさかんな地域です。収穫時に貝のついたロープを引き揚げると、赤皿貝という赤褐色の二枚貝やしゅうり貝(ムラサキガイ)が一緒についてきます。牡蠣やホタテ、ホヤは出荷しますが、赤皿貝やしゅうり貝は自家用。それぞれをたくさん使い、貝ご飯にします。貝……
浜通り北部の相馬地域は昔からほっき貝の漁がさかんな場所です。一時は乱獲によって激減しましたが、地域ぐるみの保護で豊かな漁場に戻りました。ここでは、刺身のほか、煮つけや天ぷら、酢の物、貝を入れた練り味噌「ほっき味噌」などさまざまな料理にほっき貝を使います。 なかでもほっきめしは初夏から初秋にかけて……