庄内鶴岡では、月山周辺でとれたネマガリタケを「月山筍」と呼びます。直径1~2㎝、長さ15~20㎝の細長いたけのこで、6月の雪解けの頃から標高1000mほどの高地に群生します。月山は山岳信仰の場である出羽三山の一つで、この山の恵みを受けた月山筍は昔から珍重されてきました。 ネマガリタケは地下茎が深……
現在も噴煙を上げる桜島で昔からつくられているのが、鹿児島で「島でこん」と呼ばれる桜島大根です。軽石などの火山礫が混ざった土壌ではイネや普通の野菜は育ちにくく、この大根だけがよく育ったそうです。 大きな姿からは想像しがたい繊細な味わいで、肉質は緻密で繊維質が少なく、煮物にすると箸ですぐ切れるほどや……
幡多郡黒潮町など県西南部の沿岸地域は、太平洋の荒波で浸食された岩場が続きます。岩場は貝や海藻をとる漁場として生活に欠かせないもので、春、漁が解禁になると、潮が引いた浜辺の岩にへばりついたふのりを手でむしりとるように収穫していきます。子ども同士で磯の浜に遊びに行き、岩にくっついているふのりを貝殻で……