大分県西部、日田市大山町で食べられている祭りのごちそうです。海から離れた山あいのこの地では、魚といえば近くの三隈川でとれる鮎やハエ、どじょうなどの川魚が主で、海産物で手に入るのは干しいかやたらおさ(たらの胃とわたを干したもの)、塩鯖くらいでした。そうしたなかで無塩《ぶえん》(塩を振っていない生魚……
県南の飯田市の南西端・伊豆木《いずき》では、10月7日の伊豆木八幡宮の宵祭りに鯖の姿ずしを奉納します。家庭では小さく切った鯖を混ぜたちらしずしにします。みょうがなどの薬味や鯖の切り方、味つけなど、家庭ごとに独自の伝統の調理法があります。塩鯖は保存のため塩けが強かったので塩抜きしてから使っていまし……
高知では、醤油と砂糖で味つけするすき焼き風の鍋料理が日常的によく食べられてきました。煮ながら食べるので「煮ぐい」と呼ばれます。同じ味つけでも牛肉を入れるのはすき焼きで、さば、どろめ(いわしの稚魚)、さんま、めじか(ソウダガツオ)など日常的にとれる魚や鶏肉を入れると煮ぐいになります。昔はうさぎの肉……