うるち米のご飯をすりこぎで粗くつぶして球状にしたものが「だまこ」、あるいは「だまこもち」です。だまこは秋田弁でお手玉の意味で、手の中に入るくらいの大きさに丸めることから、こう呼ばれています。きりたんぽ鍋と同様に、半づき状の丸めたご飯を調味液で煮るのが特徴です。 今は鶏のだしに醤油味が基本ですが、……
古くから新米が出る秋から冬のハレの日に食べる鍋料理です。今は季節を問わず、お盆や年越しなどで家族が集まるときなどにもよくつくられます。長い串にご飯をにぎりつけて焼いたものを「たんぽ」と呼びますが、由来は、ヤリのタンポ(刃の部分をおおう鞘《さや》)、蒲《がま》の穂をたんぽといい、形が似ているからな……
かつての農村部では、田植えや祭り、祝いごとなどのもてなしに自宅で飼っていた鶏をしめてすき焼きを楽しみました。大阪府の最北端に位置し、山あいに棚田が広がる能勢町では、秋は鍋の用意をして山へ松茸狩りに行き、炭火をいこして(おこして)、みなでゴザを敷いてとれたての松茸を入れたすき焼きを食べたりしたそう……
対馬に古くから伝わる鍋料理です。メインに鶏肉か魚を使いますが、鶏肉を油で炒ってから煮ていたため「いりやき」と呼ばれるようになったという説があります。冠婚葬祭、各種の行事、来客の際にふるまわれ、とくに秋から冬の鍋料理です。昔は鶏をつぶして一日かけてじっくり煮こんだそうです。 いりやきには、味や歯ざ……
霧島地域では「刺身」といえば魚ではなく、このとり刺し、つまり鶏の刺身をさすほどで、地域の集まりの際にも必ず出されるものです。霧島連山のふもとにある霧島地域は海から遠く生の魚が食べられなかったので、客人や祝いごとなどには飼っている鶏をさばき、胸やもも、ささみは刺身にし、骨つきの手羽元などは煮物に、……