鶴岡市内では9月になると「いも煮食べたか?」があいさつ代わりになり、秋晴れの下、庄内浜の岩場や市内を流れる赤川の河川敷はいも煮会でにぎわいます。庄内地方のいも煮は豚肉と油揚げ(厚揚げ)を入れた味噌味です。明治の終わりに養豚が導入された庄内では昭和45年の減反政策以降、養豚がさかんになり、稲刈り後……
5月下旬、岩木山の雪が消え、ウツギの花が咲き始める頃になると、津軽の人たちは山へ根曲がり竹をとりに行きます。根曲がり竹は孟宗竹《もうそうちく》と比べて細く、アクが少なくやわらかいのが特徴で、青森ではたけのこというと根曲がり竹を指します。たくさんとれた根曲がり竹は家族総出で皮をむいてから、加工場で……
県内でも山に囲まれた鹿角《かづの》市は山菜の宝庫として知られています。根曲がり竹、わらび、みず、しどけ、あいこなど、種類も豊富です。家族が朝早くとりに行ったり、親戚や近所からもらったりするのが普通で、昔は山菜は買うものではありませんでした。春から初夏が旬ですが、塩漬けやビン詰、缶詰などにして保存……
ナーベーラーはへちまです。県外では、たわしや化粧水に利用されますが、沖縄では開花から約2週間の若い実を食用にします。筋っぽくない品種が栽培され、味噌煮、炒め物、汁ものなどに利用されています。 ンブシーは具をたっぷりにして味噌で煮込んだ汁けの多い煮物です。ナーベーラーンブシーは、へちまと豚肉の味噌……
熟す前の青いパパイヤを野菜として利用するのは、沖縄県の特徴です。夏は厳しい暑さや台風の襲来で野菜が少なくなるため、パパイヤは貴重な野菜で、パパヤーイリチーはその代表的な食べ方です。パパイヤをイリチー(炒め煮)することでしっとりした食感となり、くせのないパパイヤに豚三枚肉とかつおだしのコクが加わり……
清明祭は、中国から伝来した祖先供養の行事といわれ、旧暦の3月上旬、二十四節気の一つ清明の頃盛大に行なわれます。墓前に親族や一族が集まり、重箱料理や果物などをお供えし共食します。聞き書きした那覇市の家庭では、本家が重箱料理をつくり、1970年代にはいとこやその子どもまで30名ほどが集まったそうです……