「おつい(おつう)」は汁もののことで、東予《とうよ》の瀬戸内沿岸部では新鮮な小ぶりの白身魚を水だけで煮立てた潮汁をそう呼んでいました。瀬戸内海沿岸は、高縄半島を境に、東は島しょ部と浅い砂泥《さでい》域の燧灘《ひうちなだ》、西はおだやかな伊予灘、その間に深く潮流の速い来島《くるしま》海峡と、海域に……