ホタテの貝殻を鍋にしてつくる料理です。卵と味噌を使うことから津軽ではたまご味噌、下北では味噌を入れて「かやぐ(ぐつぐつ煮る)」ので味噌かやきと呼ばれています。つくり方も材料もシンプルなので、今も朝食によく出る定番のおかずです。滋養があるので、昔からお産の際や具合が悪くなると、おかゆややわらかく炊……
昭和35年から45年頃の大阪では、だし巻き卵はどちらかというと仕出し屋や店の料理で出てくるもので、家庭ではだし汁の入らない卵焼きの方が多くつくられていたようです。味つけに醤油を使うと色が悪くなるといって、弁当用の卵焼きは少量の塩と砂糖でつくることもありました。そうした感覚からすると、店のだし巻き……
県内の多くの地域では4月3日は学校が休みで、近くの山に花見に行きました。子どもたちは赤と緑のようかんが入った弁当と、シナモンの香りがするカラフルなニッキ水を持って出かけます。聞き書きをした広島市南区の家庭では毎年、家族で近くの黄金山《おうごんざん》に登りました。黄金山近辺は江戸時代に、広島湾に浮……