今回の追録の重点は,施設切り花の温暖化対策技術。そのほか花卉園芸用土の設計,物流危機時代の開花調整,花の減農薬防除,環境制御の最新技術,切り花ヒマワリ・姫ヒマワリの育種・栽培の計6つのテーマで最新技術を収録しました。
花の温暖化対策――開花・着色不良を乗り越える
近年の猛暑の影響により,花卉の多くの品目で高温障害がみられるようになりました。着花不良,着色不良などが発生すると,出荷可能本数が減るほか単価の下落にもつながるため,生産現場では温暖化対策が喫緊の課題となっています。
今回の追録では,おもに施設栽培花卉での花ごとに生じる高温障害の症例と対策,換気を中心としたさまざまな高温抑制技術を収録しました。


花卉園芸用土の設計
より安定した生産や,消費現場からの要望(土ごと焼却処分したい,環境に配慮した用土を使用したいなど)の実現を目指して,鉢もの用土の素材や設計方法が進歩しています。
今回の追録では,目的ごとの用土素材と設計方法のほか,現在求められている用土の設計方法を紹介いただいた。また,新たな培養土を用いた栽培技術の最新研究もまとめました。

物流危機時代の開花調整
2024年の労基法改正によりトラックドライバーの労働が制限されることになり,各地の新鮮な花を届けることが難しくなりつつあります。その対策として,花卉のさまざまな流通段階で効率化策が考案されています。なかでも,開花日・収穫予測は生産段階で取り組むことのできる対策です。これにより,収穫予定の情報をいち早く市場に届けることができるほか,出荷目標に向けたより具体的な開花調整が可能になります。今回の追録では開花日・収穫日や収量予測の最新技術を集めました。
花の減農薬防除
野菜や果物などに限らず花でも減農薬への関心は依然高く,新たな技術の開発と普及が待たれています。今回の追録では,微酸性電解水を使用したバラの灰色かび病対策技術と,UV-Bを使用したデルフィニウムのうどんこ病対策技術を紹介します。
環境制御の最新技術
花卉の種類や栽培する時期によって,光合成効率を最大化させるための生育環境や,花芽が正常に分化する環境は異なります。さまざまな施設花卉品目でそれらが明らかになり,経済性も踏まえた施設管理方法の見直しが検討されています。
今回の追録ではアルストロメリアの夏季の栽培における環境制御技術と,スプレーギクの冬季の栽培における環境制御技術を収録しました。
切り花ヒマワリ・姫ヒマワリの育種・栽培
花卉の単価は変動幅が大きく,経営安定化のために花卉農家の多品目経営化が進んでいます。なかでも,キクの栽培技術が応用できること,暑さ・干ばつ・病害虫に強いこと,夏の定番であることなどの理由で,複合品目の一つとしてヒマワリに注目が集まっています。
今回の追録では,父の日需要などで夏場を中心に市場取引が伸びているヒマワリの育種動向と,姫ヒマワリ(ヘリオプシス)の特徴や栽培技術,キク科の多年草を夏に出荷している群馬県中之条町(旧六合地区)の産地事例を収録しました。

2026/08/25