農業技術大系 野菜編 追録第50号 をアップしました。
今年4月から指定野菜に格上げとなったブロッコリー。指定野菜に新たな品目が追加されたのは1974年のジャガイモ以来52年ぶり、15番目となります。
日本には明治時代に導入されましたが、すぐには広がらず、第二次世界大戦後、品種改良や食の洋風化、健康志向の高まりを受けて普及してきたとされます。1980年代以降、おいしくてビタミンとミネラルが豊富な緑黄色野菜として需要が増え、いまや日々の食卓に欠かせない人気野菜です。この30年ほどで出荷数量は約2倍、購入数量は約3倍に達し、作付け面積も右肩上がりで伸びてきました。もともと輸入品が多かったですが、国内の周年供給体制の確立にともない、生鮮ブロッコリーは、ほぼ国産品に置き換わりました。
ブロッコリーの周年供給体制を支えているのは各産地の栽培技術です。その研鑽と共有は、指定野菜となり今後ますます重要です。そこで今号では、生産量日本一を誇る夏作の北海道、高冷地夏作の長野、秋冬作の代表格である愛知、九州一番手産地の長崎、それぞれの産地を代表する農家の栽培技術を収録しました(写真1)。独自システムで分業化や圃場の一元管理を進め冷凍加工にも取り組む静岡の大規模法人の事例も注目です。
さらに個別技術として、機械収穫を効率化するための茎伸長技術、コナガなどの重要害虫と対策、水田転作ブロッコリーの排水性改善対策も収録しました。

機械化や減農薬などに特徴のある大規模キャベツ農家の事例も収録しました。加工・業務用キャベツに適した機械化一貫体系を確立してきた北海道のJA鹿追町・笹川北斗農場、ソバガラ牛糞堆肥やカルチによる除草のほかスマート農業技術などもいち早く導入してきた岩手の(株)アンドファーム、えひめAIやカルチによる除草で加工用レッドキャベツを減農薬栽培している鹿児島の(株)薩摩富士、いずれも先駆的な事例です。
夏季の野菜栽培における高温対策が求められる中で、新しい知見の蓄積や対策技術の開発が進められています。今号では、トマトの高温障害の原因と対策、自動調光システム、ホウレンソウのミスト噴霧、統合昇温抑制技術(写真2)を収録しました。

最新の知見に基づくトウガラシの分類と品種群の情報を体系的に整理するとともに、各地に残る貴重な遺伝資源である在来品種の研究成果も収録しました(写真3)。
サトイモの形態と分類、開花・結実の生理に関する知見をまとめたほか、土入れと防除での機械利用による省力化、残渣分解による病害防除を収録しました。
メロン日本一の茨城の主要作型の基本技術、ホウレンソウの寒締め栽培の技術と課題、夏ネギを需要の高い5月に安定出荷できる無加温ハウス利用栽培、トンネル被覆を省略できる春夏どりニンジンのべたがけ栽培、ルバーブ栽培の基礎も収録しました。

2026/06/04