搾乳ロボット,蹄管理で酪農の経営改善

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このたび,ルーラル電子図書館では農業技術大系畜産編『追録39号』をアップ。近年急速に導入が進む「自動搾乳システム(搾乳ロボット)」は省力化・軽労化だけでなく,乳成分などの即時把握で個体管理も補い,規模拡大から高泌乳化,放牧まで対応している。

ロボット入り口付近にはとくに広い空間を確保し,牛の進入を阻害しないようにする

ロボット開発からシステム化までの歴史,24時間連続稼働の牛舎設計,飼料給与,乳質(遊離脂肪酸)への留意など,搾乳も含めて「牛が自ら動く」管理のポイントを搾乳ロボットを利用した酪農場での飼養管理(自動搾乳システム)で解説。

いっぽう,農家が行なう蹄管理では保定から挙肢,鎌運び,蹄の削り方,鎌の研ぎ方,蹄浴まで紹介。管理手順だけでなく蹄病の根本的な原因についても解説している。ルーメンアシドーシスは,濃厚飼料中のデンプンなど炭水化物が多い場合のほか,粗飼料の品質低下,えさの固め食い,選び食い,ヒートストレスなどによってルーメン環境が悪化したときに起こる。また,酸性を中和するべき唾液が出なかったり,水が飲めないときにも起きやすいという。

ルーメンアシドーシスが原因で蹄病になる構造

なお,この蹄管理の著者である阿部紀次氏(酪農学園大学)は同じくルーラル電子図書館収録の『現代農業』で牛が逃げないロープワーク 頭絡、保定をササッとやるには?も執筆。さらにこれを動画ロープが解けないロックの方法一本頭絡のかけ方でわかりやすく紹介。あわせてご覧ください。

2021/3/5