伝え継ぐ日本の家庭料理

どんぶり・雑炊・おこわ

本書では、ご飯におかずをのせたどんぶり、汁の多い具をかけたぶっかけ、かゆと雑炊、きりたんぽや五平もちなどの半つきのご飯、赤飯やおこわをまとめました(*)。  香ばしく焼いた魚をのせたり、うま味たっぷりの貝の煮汁や粘りの強いとろろなどをかけることで、ご飯がたくさん食べられます。洋食風のどんぶりや、するめやさば缶を具にしたカレーライスもつくられました。うるち米の半つきご飯は、収穫祝いにたっぷり食べるごちそうで、ごまやえごま、くるみなどコクのある種実と味噌・醤油の味つけが食欲をそそります。少ない米でお腹を満たすおかゆや雑炊には、毎日でも食べ飽きない茶がゆも、いろいろな具を入れたハレの日の雑炊もあります。もち米のおこわは冠婚葬祭や年中行事に欠かせません。赤飯だけでなく白や黒や黄色に具だくさんおこわと、色とりどりです。ご飯の食べ方の多様性を見渡すことができる1冊になりました。

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どんぶり・ぶっかけ・カレーライス

ご飯におかずをのせたり、汁をかけた料理です。鮎やあなご、うなぎなど、地域の名産をのせた数々のどんぶり。旨みたっぷりの汁をぶっかけた深川めしや冷や汁、とろろご飯はするするとのどを通ります。肉の代わりにさば缶やするめを使ったカレーも紹介します。

かゆ・雑炊

西日本を中心に親しまれてきた茶がゆは、香りのよいお茶でさらりと煮たもので、熱くても冷たくてもおいしいものです。少量の米でも満足でき、消化のよい雑炊は全国でつくられ、かぼちゃやもずくを入れた日常食や、鶏や鮎、かにを入れたごちそうになりました。

半つきなど

きりたんぽや五平もちなど、ご飯を半分ついたもち・だんご状の料理です。鶏のだしやくるみのコクが加わった汁で食べたり、えごまやごまのたっぷり入ったたれをつけて焼いたりします。米の代わりにじゃがいもをつぶしてもち状にしたあんぷらもちも紹介します。

赤飯・おこわ

赤飯は北海道から九州まで、甘いもの、小豆以外の豆を使うもの、栗やいもが入るものと多彩です。仏事にも祝いごとにも使われた白いおこわ、くちなしで染めた黄色いおこわ、ごまで黒く見えるおこわ、地域の産物を使った具だくさんのご当地おこわなどが並びます。

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