だし汁に八丁味噌を溶き、生のうどんを入れて煮こんだうどんです。山梨県の「ほうとう」を参考に、味噌で調味しただし汁でうどんと野菜を煮たのが由来、とされる説があります。だし汁で煮たうどんはかたく、知らない人には「火が通っていない」と勘違いされることもありますが、このかたさも魅力です。だしや具の鶏肉に……
庄内地方の行事食やもてなし料理のひとつです。川でふ化して海に出て成長し最上川《もがみがわ》や赤川に戻ってきた川マス(サクラマス、収穫量が少なく珍重されている)と、マス料理と相性のよいにら、昭和初期までは貴重品だった鶏卵をゆでてうどんにトッピングし、みたらしだんごのたれのような甘いあんをたっぷりか……
上野原市周辺では、七五三、結婚式、還暦の祝いなど、祝いごとの膳の最後に必ずといっていいほど、このお祝いうどんが出ます。上野原市は県の最東部で、かつては養蚕がさかんで「甲斐絹」で有名な織物業により栄えた地域です。河岸段丘の地形と水利に恵まれないことから、水田は少なく、おもに陸稲、小麦、大麦、雑穀、……
辛味大根のしぼり汁と味噌のつゆで食べるうどんは、長野の寒い冬に体を温めてくれます。辛みの強い地大根は県内各地で栽培されており、埴科郡坂城町《はにしなぐんさかきまち》周辺では、特産のねずみ大根を使います。ねずみ大根は標高400~500mの高地で育ち、小石混じりの条件のよくない畑でこそおいしくできる……
ゆでたてのうどんを鍋から箸でひっぱりながら食べることから、この名がついたといわれています。たれは納豆とねぎ、かつお節、醤油を混ぜるだけ。乾麺をゆでて鍋ごと食卓にのせれば、あとはそれぞれが納豆だれにからめながら食べます。手間がかからず簡単で、村山地方などの内陸部では冬の昼食の定番料理とされてきまし……
栃木県は小麦の産地で、冠婚葬祭にも日常にも、よく手打ちうどんがつくられました。さらに手早くできる日常の食事として、うどんや幅広のひもかわを煮こんだ煮ごみが、とくに冬場は毎日のようにつくられます。主食のうどん、おかずの野菜と汁が一品になっていて、肉や海の魚などがなくてもおいしく、すべて自給できるも……