鯛はつがいになったら決して離れないといわれていることから、鯛めんは結婚式の縁起物として欠かせないものでした。立派な鯛が一尾まるまるのった大皿は見た目にも豪華で、婚礼のしめくくりに出ると祝いの場がさらに華やぎます。海から離れた宇佐市院内町《いんないまち》では、自宅で結婚式をする際、特別に海に近い場……
県南西部の佐野市周辺は、夜は毎日のようにうどんを打って食べていた土地柄です。冷や汁(ひやじるとはいいません)はご飯にかけるのではなく、うどんのつけ汁として食べます。きゅうりの食感と香りのよい地粉のうどんののどごしもよく、夏には食べたくなる料理です。 ごまの香りと味噌の味がよく合います。ごまは自家……
いわゆる釜揚げうどんで、うどんに火が通り食べ頃になったら鍋から直接お椀にとり出し、ねぎやかつお節、ゆずなどの薬味を入れ、醤油をかけて食べます。山間部の奥多摩町では稲作ができず、麦やそば、あわ、きびなどの雑穀が多くつくられていました。小麦は製粉所で粉にしてもらいます。寒い冬には、炭焼きなどの山仕事……
伊勢うどんは非常にもちもちした太い手打ちうどんで、たまり醤油のつゆをかけ、刻んだ葉ねぎをかけて食べます。見た目は黒く、辛そうですが、だしがよく出たつゆは見た目ほど濃く感じません。伊勢、鳥羽を中心にごく日常的に昼食や間食として食べられており、地域の人はこのうどんじゃないとうどんを食べた気がしないと……