兵庫県では播磨地域や阪神北の三田《さんだ》市など、正月2日の朝には必ずとろろご飯を食べる風習のところがいくつかあります。1日や3日の朝に食べる、もちの雑煮も楽しみですが、とろろご飯ものどの通りがよく、風味が違っておいしいものです。熱くしただし汁でのばした熱いとろろを熱々のご飯にかけて、できたてを……
いろいろな具をのせたご飯に鶏スープをかけて食べる鶏飯は、奄美の代表的な郷土料理のひとつです。自分で好きなように具をのせるので楽しく、人数が増えても対応できること、誰にでも好まれる味であること、暑くて食欲がない夏でもさらさらと食べられることなどから、とくに夏、島外から来客があったり大勢の人が集まっ……
もずくは酢の物や吸い物に入れることが多いですが、雑炊もおいしいもので、隠岐《おき》の家庭では日常的につくられています。隠岐でとれるもずくは細もずくといって、細いながらもしっかりとした食感があります。春から初夏にかけてがやわらかいので、この時期にとって塩漬けにして一年中利用します。昔は「す」(集落……
鶏(とい)のだしでつくる雑炊(ずし)のことですが、雑炊というよりやわらかい炊きこみご飯のようです。畜産がさかんな南九州市では昔は鶏が貴重なたんぱく質源で、来客時、祝いごと、祭りなどには庭で飼っていた鶏をつぶし、肉はとり刺しにし、残った骨で煮物や吸い物、といのずしなどをつくりました。祭りを盛り上げ……
「うじら」はウズラのこと。ウズラの卵に似ているのでこの名がついたとされます。沖縄風がんもどきで、魚のすり身も入り弾力のある食感になります。豆腐とすり身を丁寧にすり鉢であたり、時間をかけてつくります。外はカリカリ、中はふわふわで、色よく揚がったグリーンピースもアクセントです。 沖縄豆腐は「島豆腐」……
卵を吸った麩(フー)をこんがりと焼き、野菜と炒め煮(イリチー)した料理です。「イリチー」はだしを加えて炒め煮すること。彩りがよく味はあっさりしていますが、食べごたえはしっかりとある普段のおかずです。この料理を「フーチャンプルー」と呼ぶこともありますが、「チャンプルー」は島豆腐(『肉・豆腐・麩のお……