東シナ海に浮かぶ甑島には高校がなく、子どもたちは中学校を卒業すると親元を離れて「島立ち」し、その後も郷里を離れる人が少なくありません。里帰りした際には、砂糖を多めに使い、具がたっぷり入った混ぜご飯でもてなします。 甑島は上甑島、中甑島、下甑島の3島が連なっており、混ぜご飯の材料や味つけは地域や家……
「もぶる」とは混ぜるという意味で、里芋、にんじん、ごぼうなど、素朴な材料をふんだんに使った混ぜご飯です。今治市は、瀬戸内海では新鮮な魚介類、平野部では野菜、里山では季節折々の野草や山菜がとれる地域で、このご飯は年間を通してつくられています。 合わせ酢をつくらない分、ばらずしよりも手間がかかりませ……
料理名の「かんぴょう」は干し大根のことです。この煮しめはかんぴょうと根菜類と油揚げやちくわを煮たおかずで、干し大根のかんぴょうは厚みがあって歯ごたえがよく、甘さもあり煮しめの味に深みを与えています。かんぴょうだけで煮しめることもあります。 ユウガオからつくるかんぴょうも巻きずしや昆布巻きに使いま……
五島列島の上五島でつくられている煮しめです。大きくて噛みごたえのある切り干し大根を使い、トビウオの焼き干しでしっかりとったあごだしで煮るのが特徴で、大きな鍋でたくさんつくります。日頃からよく食べる料理ですが、法事のときは必ず用意します。正月料理としても、ぶりの刺身、くじらの酢の物、豆ご飯とともに……
切り干し大根やこんにゃく、干し椎茸、干しぜんまいやにんじんなどのたっぷりの具材を使った久住地方の白和えで、昔から冠婚葬祭のおもてなし料理として正式なお膳には欠かさず出されてきました。大人数の来客用に一度につくるため、大きなすり鉢で2人から3人がかりで「そらやれ」「ホイホイ」「それそれそれ」とかけ……