津軽地方を中心に食べられている冬の郷土料理です。大根、にんじん、ごぼうなどの根菜と、春にとって保存しておいたふきやわらび、ぜんまいなどの山菜、大豆、凍《し》み豆腐などがたっぷり入った実だくさんの汁で冬の野菜不足を補い、体をあたためる料理としてつくられています。 津軽では小正月を「女正月《おんなし……
県内各地でつくられている凍み大根と里芋やにんじん、干し椎茸などの具材を一緒に炊いた煮しめです。凍み大根は、冬の寒さを利用してつくられる保存食で、真ん中に穴があいているものは、「へそ大根」や「ババべそ(おばあさんのへそ)」とも呼ばれます。輪切りにした大根はゆでてから真ん中に串やワラを通して軒下に1……
宮城県の雑煮は「ひき菜雑煮」とも呼ばれます。ひき菜とは大根、にんじん、ごぼうをせん切りにし、さっとゆで、しぼって水けをきり凍らせたもので、凍らせることでしなやかな食感になります。正月中に何度も雑煮をつくるので、凍ったまま汁に入れればよいひき菜は年末に大量につくりおきしておくそうです。県全域で使わ……
正月料理である雑煮を正月以外に食べる地域は少ないと思われますが、島原地方では比較的通年、この具雑煮が食べられています。島原半島には雲仙岳が、島原市には眉山《まゆやま》がそびえ、有明海に面した地域なので山海の幸が豊富で、具雑煮はその幸をふんだんに炊きこんでつくられています。寛永14年(1637年)……