朴葉《ほおば》はホオノキの葉で20~40㎝ほどの大きさになります。香りが高く、食器の代わりになり、防腐作用もある朴葉を使ったすしが県内各地で見られます。 山間地である飛騨地方の下呂《げろ》市荻原では、具にする塩マスは合わせ酢で煮たうえに酢をしみこませることで日持ちをよくします。遠方に住む親戚も楽……
山形県ではあけびは、種の周りの白くて甘い部分ではなく、外側の皮を料理に利用し秋の味を楽しみます。中の種をとり出し、そこに甘味噌をからめたきのこや秋みょうがなどを詰めて油でじっくり蒸し焼きにすると、肉厚の皮はとろっとやわらかく、皮のほろ苦さに甘辛いきのこやみょうががよく合います。同じ時期に出る舞茸……
6~8月にかけてつくられる初夏のおやつです。5月頃にとれるそら豆(外豆《とまめ》)を乾燥させてとっておき、そのあんを6月からのびてくるみょうがの葉で巻きます。そら豆とみょうがの葉の香りに夏を感じます。 「ぼち」はもちのことで、小麦粉を練って蒸したものもこう呼びます。こねすぎないので噛み切りやすい……
そら豆あんを小麦粉の生地で包み、みょうがの葉で包んで蒸す初夏のおやつで、みょうがまんじゅうとも呼ばれています。きれいでおいしいそら豆あんと、みょうがの葉のさわやかな香りが魅力で、尾張地方の稲沢市で、田植えが終わった頃に農家の家庭のおやつとして食べられてきました。ちょうどこの頃はみょうがもちの材料……