海から遠い県南西部の都城《みやこのじょう》地域では無塩《ぶえん》(塩をしていない鮮魚)は入手が難しく、いわし、あじ、とびうお、川魚(はえ)の干物を天ぷらや煮物にしました。肉を食べるのは正月や節句、祭りの折に飼っていた鶏をつぶす程度で、普段は干物が貴重な動物性たんぱく質源です。自家製の小麦粉や菜種……