釧路ではかれいは大変身近な魚で種類も水揚げ量も多く、鮮度のよいものを比較的安く手に入れることができます。種類によっておいしい食べ方があり、たとえば真がれい、ばばがれいは煮つけ、宗八は干物にします。新鮮なまつかわ、おひょう、赤がれいは刺身がおいしく、昔は1尾を丸ごとおろしたらまず刺身にして、残った……
県北東部の登米《とめ》地域では、鶏のそっぷ(スープ)を使った甘くて具だくさんの茶碗蒸しが昔から正月の一番のごちそうでした。卵は貴重な食材で、子どもたちは家の鶏が産んだ卵を食べずに売っておこづかいを貯める「卵貯金」をしていたという話があるくらいです。 茶碗蒸しの卵液は、卵に対してスープの割合が多い……
春先にとれる食材や、冬の間につくった「へそ大根」、乾物のにしんなどの具材をたっぷり使った料理で、県北部では普段の食事や端午の節句のごちそうに出されます。ここでよく利用される淡竹《はちく》は、やわらかい食感で、春の煮物に欠かせません。へそ大根は輪切りの大根をゆでてから真ん中にワラひもや細い竹の棒を……
米の粉と山芋を使った蒸し菓子で、県内では来客時や冠婚葬祭、桃の節句で使われました。粒子の粗いかるかん粉(並新粉《なみしんこ》)を使うため、生地のきめは粗いのですが、山芋の効果でしっとりもちもちで独特の風味があります。昔は山芋とかるかん粉、砂糖だけでつくりましたが、このレシピでは長芋と卵白を使って……
会津地方の只見《ただみ》町にのみ今も伝わる郷土料理です。平椀に盛るので「おひら」と呼ばれます。大晦日に歳神様を迎える祝いの膳につけられます。昔の冠婚葬祭にも欠かさずにつくられました。 材料から盛りつけ方まで、すべてに意味があります。椀には「根のもの、土のなかで育つもの」であるごぼう、にんじん、長……
大皿に盛られた煮物は、これが1人分です。大晦日の年取りから正月三日まで味わいます。長岡市内の豪雪地帯、山古志《やまこし》地区で長年つくられてきて、「正月のごっつお(ごちそう)」ともいいます。 くずれやすい豆腐だけは別鍋で煮含め、それ以外の食材は一緒に煮て味を調えて、1人分ずつ盛りつけます。具の数……