中国山地の山々に三方を囲まれ、鳥取と岡山との県境にある山村だった千種《ちくさ》町(現宍粟《しそう》市)で、ひな祭りにつくられてきた素朴なおやつです。もち米の玄米、大豆、あられをそれぞれじっくり炒って混ぜたもので、最近では砂糖をからめて仕上げていますが、もともとは貴重な砂糖は使わなかったそうです。……
日光東照宮や男体《なんたい》山、中禅寺湖がある日光市の中で、旧今市《いまいち》市周辺は水田地帯でもち米がとれる一方、山が近いので雑穀も豊富に入手できました。そのため、正月から大寒の頃にかけては、あわ、きび、大豆などを入れたもちをよくつきました。 もち米の他に上新粉を使ったもちもあり、その一つが干……