行事や祭り、結婚式、棟上げなどのおめでたい席の料理としてつくられる、岡山を代表するすしです。その誕生は江戸時代に遡り、宴席の食事を一汁一菜と制限した藩主の倹約令に対して、豪華な食事を楽しみたい町民がすし飯の下に具を隠して混ぜて食べたとか、すし飯の上にたくさんの具をのせても「一菜」だといってつくっ……
江戸前のすしが伝わる以前、臼杵《うすき》で「すし」といえば、茶台ずしを指しました。にぎりずしは各地にありますが、具(ネタ)を上下につけるのはこの地方独特です。下に敷いた具を茶台(茶たく)に見立てて茶台ずしと呼んでいます。 江戸時代、天保の改革の頃、臼杵藩は凶作と飢饉《ききん》で財政が苦しく、徹底……
県内でも山に囲まれた鹿角《かづの》市は山菜の宝庫として知られています。根曲がり竹、わらび、みず、しどけ、あいこなど、種類も豊富です。家族が朝早くとりに行ったり、親戚や近所からもらったりするのが普通で、昔は山菜は買うものではありませんでした。春から初夏が旬ですが、塩漬けやビン詰、缶詰などにして保存……