戦国時代から続くキリシタンの里、長崎市浦上地区に伝わる南蛮渡来の料理で、ポルトガル人の宣教師が信徒たちに「肉を食べる」習慣を伝えるため、長崎人の口に合うよう豚肉を炒めて野菜と一緒に煮たといわれています。そぼろの由来には、おぼろより粗い“粗《そ》おぼろ”が詰まった、また外国語がなまった言葉との2説……
客膳料理には欠かせない一品で、もっとも代表的な沖縄の豚肉料理です。沖縄では皮つきの豚肉がよく利用され、とろけるような絶妙な舌触りの皮と、箸で切れるほどやわらかくなった肉が美しく層をなしています。甘辛い味で、豚肉にかつおだしが加わって生まれる独特の深い風味が特徴です。 煮こみに使うのは沖縄の蒸留酒……
スーは「塩」、チカー(チキー)は「漬け」の意味で直訳すれば「塩漬け」ですが、沖縄ではおもに塩漬けの豚肉のことをさします。豚肉のうま味とほどよい塩味のついた素朴な料理です。かつては冷蔵庫なしで長期保存するために、豚肉の重量の40~50%程度も塩を使うものでした。県中部にあたる沖縄市の登川《のぼりか……