宮城では練ることを「ねっけ」といいます。そばねっけは、その名のとおり、そば粉に水を加えて熱しながらもちのような粘りが出るまでよく練ったもの。単に「ねっけ」と呼んだり「そばねり」とも呼びます。冷めるとかたくなるので熱いうちにじゅうねん(えごま)たれをかけて食べます。ほんのり苦くねっとりとした食感の……
岩手県南は米どころですが、かつては小麦の栽培もみられ、小麦粉生地を薄くのばしたはっとが食べられてきました。名前の由来は、おいしくて農民が小麦づくりに精を出し、米づくりがおろそかになると案じた領主が禁じた(法度した)からといわれたり、ほうとうが転じたとの説もあります。 一関市周辺の県南部でははっと……
ゆでた熱々のじゃがいもを、あぶらえ(えごま)味噌で和えます。油が出るまでよくするのがおいしくつくるポイントで、なめらかな味噌がほくほくのいもによくからみ、深いコクを加えます。明治初期の飛騨の暮らしを記した「斐太後《ひだご》風土記」には、じゃがいもを串に刺しあぶらえのたれをつけて囲炉裏《いろり》で……