今月のテーマ(2)水田の米ヌカ除草法
■冬の田んぼに水をためて、トロトロ層の力を実感! 千葉県佐原市で不耕起でコシヒカリをつくる藤崎芳秀さん(62歳)。今年の初めに米ヌカを田んぼにまき、冬から春にかけて水をためた。すると、土が見たこともないようなトロトロに。冬の雑草も田植え後の雑草もみごとに抑えられた。しかも、不耕起有機栽培で問題だった初期生育の問題も解決。最初から分けつがとれ、今年は不耕起有機で、初の10俵どりが実現しそうだ。(『現代農業』2002年11月号) ■米ヌカボカシをまいて表層2cm耕起 ホントに草は生えなかった 秋田県大潟村・井手教義さんは、秋にイネの収穫が終わった後で、一反歩に100kgほど散布。そして春耕起前に再び100kgをまいて、表層2cmほどを浅く耕起します。トラクタはゴムクローラですから深くなりにくいですし、表層に微生物を利用したボカシ肥料を入れることで、雑草の種子の発芽が早まります。 ■米ヌカの除草効果を水槽で確かめる なるほど、本当に米ヌカで草がなくなった。ただし芽が出たばかりの小さな草だけ。大きい草には効かない。やっぱりみんながよくいうように、米ヌカをまくには、「代かき後何日」とかいうタイミングが大事なのですね。(『現代農業』2002年5月より) ■イトミミズ(土壌小動物)の利用米ヌカ除草をやるとイトミミズが増える。イトミミズは頭部を下に尾部を上にして還元層の泥を摂取し、その中の微生物や有機物を消化吸収して表層に糞を排泄するという、いわばコンベアベルト的な土壌の移送を行なっている。この場合、大きな粒子はイトミミズの口に入らないから、小さい粒子のみが選択的にとり込まれ、腸管を通過して糞として上層に運ばれる。したがって、下層の土壌は粒径の粗いものが多くなり、上層の土壌は粒径の細かいものが多くなることが考えられる。 イトミミズによる土壌粒子の移送を考えるとき、表層に存在する雑草の種子が大きくて、イトミミズに摂食されない場合には、表層に排泄される糞に埋め込まれて、徐々に下層に移行することが考えられる。筆者らは、コナギの種子を土壌表層に散布し、イトミミズを約2個体/cm2の密度で移入したところ、種子はだんだんと土中に埋められることを観察した。 (「イトミミズ」栗原康、『農業技術大系土壌施肥編』より) ■麦わら、有機質肥料の表面施用各地で除草剤を使わずに、しかもできるだけ省力的に除草を行なう方法が検討されており、岡山農試では、麦わらや菜種油かす、米ぬかといった有機質資材、有機質肥料による除草対策に取り組んでいる。そこで、これらの利用により、現在までに得られた成果を中心に、麦わらや有機質肥料の表面施用による除草対策について紹介したい。 (「麦わら、有機質肥料の表面施用」河原祐志、『農業技術大系作物編』より) ■米ぬかペレット成型機米ぬかは、粉状のままで散布すると風の影響や水流の状態によって散布ムラができることが多かった。また、水田の表土全体に分散すると水田全体の容存酸素が減少するために、水田の小動物に影響を及ぼすおそれがあることも指摘されていた。これらの問題を回避する方法として米ぬかのペレット化が求められていたが、タイワ精機では、米ぬかペレット成型機「ペレ吉くん」を開発した。 (「米ぬかペレット成型機」高井芳樹、『農業技術大系土壌施肥編』より) |