北海道の主要病害虫>畑作>ダイズ

■被害・症例
害虫を選んでください。
 
Ⅰ.播種期~出芽期の被害
1.発芽しない。初生葉が欠損する。種子の内部が食害され、白いウジがいる。
2.稚苗が根元から切断される。付近の土中に灰褐色の幼虫がいる。
Ⅱ.生育初期の被害
1.葉が外側から不規則な半円状に食害される。6mmほどの黒色の甲虫が認められる。
2.葉が裏側から食害され円形で不規則な孔をあけられている。子葉では円いえぐられた皿状の食害痕を残す。3mm程度の汚黄色の地に黒色の2条を配した甲虫が認められる。
Ⅲ.生育中期~後期の被害
1.茎葉の被害
(1)網の目状に食害される。
①青緑色~銅赤色の甲虫が見られる。
②やや小型で緑色の甲虫、翅鞘は褐色、体側面に白色の毛塊が並ぶ。
(2)周縁部から食害される(幼虫はいも虫)。
①光沢ある黄緑色の地色に黄白色の線がある幼虫が見られる体毛はまばら。
②ビロウド様の緑色で、短剛毛を密生、体側に黄線の入った幼虫。
③橙褐色の長毛を密生、背面に黄白色の毛塊がある毛虫
④黒褐色で背面に黒い不明瞭な斑紋がある幼虫で体毛はまばら。
⑤灰黒色~赤褐色で、黄白色の線がある幼虫が見られる。体毛はまばら。
(3)小さな円形の孔をあける。
①黄褐色、長卵形の6~7mmの甲虫が見られる。
(4)小さい黄褐色の斑点ができる。
(5)株全体が黄褐色になる。
①落葉し、葉柄内に小さなウジが多数いる。
②葉裏に微小な虫が多数いて、くもの巣様の糸を張っている。
2.花の被害
(1)開花しない。あるいは落花、着莢不良を起す。
①花に小さな細長い虫が多数寄生
②花蕾内に小さいウジがいる
3.莢の被害
①外見異常は認められないが、内部の子実が食害され、虫糞が見られる。
②莢に大きな孔をあけて、幼虫が子実を食害している。
4.株全体の生育が不良となり、黄化する。根に根瘤状の黄白色の粒が多数付着している。
マメ科作物のアブラムシ(無翅虫)《無翅虫:コロニー内で体が大きく、尾片が指状に長い(幼虫では三角に見える)》
3.触角は体長より長い。体長2mm以上で、黄緑~濃緑色。触角・脚は淡色で、角状管はときに黒いが細長い円筒状。体長は2.5mm前後、角状管は体色と同じで淡色。体は光沢があり、頭部背面に微細なざらつきがある。
6.触角は体長より短い。体長2mm以下で、黄色、褐色、混合など。体色は一様で、体毛基部は他の表皮と同じで硬化しない。成虫は濃褐色で光沢があり、脚は白い。幼虫は薄く白粉を被る。
7.触角は体長より短い。体長2mm以下で、黄色、褐色、混合など。体色は一様で、体毛基部は他の表皮と同じで硬化しない。幼・成虫ともに黄色で、白粉は被らない。新葉に多い。
 

『北海道病害虫防除提要』(社団法人北海道植物防疫協会刊)より