瀬戸内海に浮かぶ周防大島《すおうおおしま》は水田が少なく、茶がゆは米を節約するためにかつて日常的に食べられていました。晒《さら》しで作った巾着(茶袋)に、自家栽培の豆茶を入れて、茶がゆ専用のカンスと呼ばれる鉄製の茶釜でつくられていました。豆茶だけでなく、ほうじ茶などを混ぜて使うこともあります。煮……