長野市鬼無里《きなさ》は県最北西部に位置し、最高地は2044m、最低地は649mと標高差のある中山間地域です。鬼無里で今もつくられるかぼちゃ干しは豊富にとれるかぼちゃの保存方法として考え出されたと思われます。干すことで甘味とうま味が濃縮されて保存でき、野菜の端境期のビタミン源として重要でした。え……
阿武隈《あぶくま》地域には、昔から凍み豆腐や凍み大根など、冬の寒さを利用してつくる保存食があり、凍みもちもその一つです。標高400~600mの鮫川村では、気温がマイナス20℃前後になる1月末頃に、もち米と一緒にうるち米粉とごんぼっぱ(オヤマボクチの葉)をついてもちをつくり、スライスしたものを2カ……
浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の恵みに感謝する法要、報恩講を白川郷では親しみをこめて「ほんこさま」と呼びます。11月上旬から12月に行なわれるほんこさまは、冬の一大行事。親戚や近所の人を家に招き、お坊さんの読経のあと、お斎《とき》として心づくしの料理でもてなします。 料理の準備は、その年の春から始まり……