ひたちなか市は、内陸部の旧勝田《かつた》市では自家製納豆をからめた納豆もちを、鮭が遡上する那珂川《なかがわ》の河口にある那珂湊《なかみなと》地区では焼いた塩引き鮭(新巻き鮭)をはさんだ塩引きもちを供し、同じ市内でも違った正月の食文化があります。筑西《ちくせい》市ではしょーびきもちと呼び、もちにほ……
県南西部の内陸部にある都城《みやこのじょう》では、正月には八十八夜に摘んだお茶や干し柿とともに、いもんこんすい(里芋のお吸いもの)が出される地域があります。おしゅいもん、いもんこんしゅい、略してしゅいなどとも呼ばれ、雑煮代わりにいただきます。もちは入りません。子孫繁栄を願い元日の朝は里芋を絶やさ……