京都は豊富な地下水が湧くので、その水を利用してつくられた豆腐製品のおいしさは全国的に有名です。市内では豆腐屋が、各家庭に日常の食材として豆腐や揚げを売り歩いていました。ひろうすは水けをきった豆腐ににんじん、れんこん、ひじき、銀杏などの具を混ぜて揚げたものです。精進料理では「がんもどき」とも呼ばれ……
京都の惣菜は始末(素材を無駄なく利用する)の料理ともいわれ、おからの炊いたんは日常よくつくった料理のひとつです。安い食材であるおからと、家庭に常備してある乾物(干し椎茸、かんぴょう、ひじきなど)や旬の野菜を利用し、具の変化をつけることで季節を問わず食べられていました。とくに商家では、月末のやりく……
「きらず」はおからのことで、料理するのに切る必要がないのでこう呼ばれます。「およごし」とはごま味噌和えのこと。ごまをたっぷり使った風味豊かなおかずです。さっぱりした飽きのこないおいしさで、箸休めにぴったりです。焼き物で知られる有田は「食い道楽」の地といわれますが、安価なおからもおいしく食べていま……