ぼんし粉という、うるちの砕け玄米をひいた粉を使ったもちで、もち米とよもぎ、塩を入れてつき上げます。弾力がありつつも、うるち米が入るので歯切れがよく、筑豊地域の山あいの盆地では冬場、焼いたり煮たりして食べてきました。田川郡赤村《あかむら》では、マッチ棒の大きさに切って、から炒りしたものを子どもたち……
中国山地の山々に三方を囲まれ、鳥取と岡山との県境にある山村だった千種《ちくさ》町(現宍粟《しそう》市)で、ひな祭りにつくられてきた素朴なおやつです。もち米の玄米、大豆、あられをそれぞれじっくり炒って混ぜたもので、最近では砂糖をからめて仕上げていますが、もともとは貴重な砂糖は使わなかったそうです。……
売り物のおやつがなかった時代に、米と豆でつくられたおやつです。パチパチとはぜた米はいわば手づくりポンポン菓子で、楽しく食べられます。皮がはじけるくらいに炒った大豆は香ばしく、噛みごたえのあるかたさで、歯が丈夫になりそうです。おいりを上手につくるコツは、火力は弱く、気長に炒ることです。 岡山の北部……