魚を塩味で煮るという、ごくシンプルですが魚と塩のおいしさがそのまま味わえる料理です。素材を大切にしたサッパリとした味で、素朴な家庭の味です。「マース」は塩のこと。沖縄県産の塩を島マースといいます。 島々からなる沖縄では、昔から各地で塩炊き職人がつくる塩があり、その独特な島マースの文化が受け継がれ……
クーブは昆布、イリチーは炒め煮です。ハレの日の料理として家庭や学校給食で伝え続けられています。昆布を炒めて食べるのは全国的に見ると珍しいと思いますが、時間をかけて昆布にだしを含ませ、ツヤツヤと照りがありしっとりとやわらかく仕上げるので、老若男女に好まれます。つくりたてもおいしく、時間がたって味が……
清明祭は、中国から伝来した祖先供養の行事といわれ、旧暦の3月上旬、二十四節気の一つ清明の頃盛大に行なわれます。墓前に親族や一族が集まり、重箱料理や果物などをお供えし共食します。聞き書きした那覇市の家庭では、本家が重箱料理をつくり、1970年代にはいとこやその子どもまで30名ほどが集まったそうです……