中国山地の山々に三方を囲まれ、鳥取と岡山との県境にある山村だった千種《ちくさ》町(現宍粟《しそう》市)で、ひな祭りにつくられてきた素朴なおやつです。もち米の玄米、大豆、あられをそれぞれじっくり炒って混ぜたもので、最近では砂糖をからめて仕上げていますが、もともとは貴重な砂糖は使わなかったそうです。……
豊かな穀倉地帯の広がる津軽地域で、長く厳しい冬の寒さを利用してつくられてきた保存食です。やわらかめについたもちに、塩、砂糖、ごまを加えて拡げ、切れるくらいに固まってきたら、薄い板状に切り、ひもで編み、正月が過ぎて一番しばれる(寒い)日の夜にぬるま湯にくぐらせてから軒下に下げます。1~2カ月ほど干……
東成瀬村は、県の南東端、岩手県と宮城県の境、奥羽山脈の麓に位置します。村の93%を山林原野が占め、積雪期間が5カ月にも及ぶ豪雪地帯です。昔は養蚕、葉タバコの栽培がさかんでした。現在は、稲作を中心として高冷地野菜、畜産、果樹、花卉類の栽培などが主体です。 この村で伝わっている干しもちは、もちの形状……