県西部の下仁田《しもにた》町を含む甘楽《かんら》・富岡地域でつくられる下仁田ねぎを使った、体の温まる冬のごちそうです。下仁田ねぎは根深ねぎ(長ねぎ)の一種で、白根が太く短く肉質はやわらか。煮こむととろけるような食感と特有の甘みがあり、徳川幕府への献上品とされたことから「殿様ねぎ」とも呼ばれます。……
ぶつ切りにした地鶏と根菜をじっくり煮こんだ煮物で、「鶏のごった煮」と呼ぶ地域もあります。昔は多くの農家の庭先で鶏を飼っており、正月や祭り、家の茅葺《かやぶ》きなどの行事があるときにはつぶして、ささみは刺身で食べ、肉や皮や内臓は煮物、残った骨はだしなど大切に料理しました。根菜がとれる秋から冬につく……
福岡県の水炊きは、鶏ガラでスープをつくり、骨ごとぶつ切りにした鶏肉や内臓を季節の野菜とともにいただきます。もとは中国風の鶏肉の淡塩煮《たんしおに》であるとか、外国から伝わった洋風のスープであるといわれ、博多地区を本場として全国各地に普及しました。 福岡北部の筑前では黒田藩(福岡藩)が養鶏を奨励し……