打ち豆は、大豆を吸水させてから蒸し、それを木づちで打ったものです。冬場、雪に閉ざされる湖北地方では、大豆は貴重なたんぱく質源。各家庭で打ち豆をつくり、汁に入れていました。たたいて平たくした豆は、だしが出やすく火が通りやすくなるので、煮る時間や薪の節約にもなりました。大根、里芋、かぶやかぼちゃなど……
県北部の北薩《ほくさつ》や姶良《あいら》地区などで、お盆につくられてきた煮物です。こつっ豆腐とは、大豆の粉でつくった豆腐のことです。天日でよく干した大豆を石臼で挽いて粉にして、水で練り耳たぶくらいのかたさになったところで竹の串に刺し、囲炉裏でこんがり色がつくまで焼いて、煮しめに使います。豆がぎゅ……
大豆と昆布を醤油と砂糖で甘辛く煮た料理で、一度にまとめてつくり、こびる(おやつ)やお茶うけ、人がたくさん集まる正月や盆に出すほか、葬式や仏事の精進料理の一品にしました。砂糖で豆の水分が出てかたくしまるので、しっかりした歯ごたえで、噛むほどに甘味が増し、くせになるおいしさです。昔は豆がしわしわにな……