奈良県の伝統的な米菓子で、冬に仕込んで年中食べる素朴な味のおやつです。県北東部の山添村は三重県との県境に位置する高原の村です。夏は冷涼、冬は厳寒で、冬の寒く乾燥した日が続く気候をうまく利用してつくられています。ただしつくるのは、奈良の東大寺二月堂の行事であるお水取りが終わる3月中旬まで。それ以降……
干し柿と湯、米粉をつき混ぜてつくる簡単なおやつです。県南の丸森町や角田市では昔から渋柿の「蜂屋柿」が各家の屋敷や畑の周りに植えてあります。以前は晩秋になると軒先にたくさんの柿がつりさげられている様子が見られました。今のように甘いおやつが少なかった頃は干し柿の甘味は貴重で、このまま食べる他、酢の物……
日光東照宮や男体《なんたい》山、中禅寺湖がある日光市の中で、旧今市《いまいち》市周辺は水田地帯でもち米がとれる一方、山が近いので雑穀も豊富に入手できました。そのため、正月から大寒の頃にかけては、あわ、きび、大豆などを入れたもちをよくつきました。 もち米の他に上新粉を使ったもちもあり、その一つが干……
山添村は奈良県の北東部、三重県との県境に位置する高原の村です。夏は冷涼、冬は厳寒な気候です。柿なますは、秋冬の家庭料理の常備菜として、また正月の祝い膳には必ずといっていいほど出される一品です。 なますに使う柿は、秋には生の柿を、それ以外の季節では干し柿や柿ゆべしなどを利用します。干し柿の紅色は紅……