浜松市の最北部、長野県との県境に位置する山間部の水窪《みさくぼ》では、4月8日のお釈迦様の誕生を祝う灌仏会《かんぶつえ》(花祭り)には、とじくりというだんごをつくり、甘茶と一緒に仏壇にお供えします。炒った大豆と米を煮てそば粉で固め、砂糖で味つけしたもので、別名「お釈迦様の頭」。昔は大豆をたくさん……
けいもちというと、そば粉を熱湯で練ったそばがきを指すこともありますが、県北東部、岐阜県や長野県に隣接している津具では、おかゆに、里芋とそば粉を入れてつくります。津具は愛知県の奥座敷と呼ばれ、標高1000m級の山々に囲まれた山深い地域です。水田が少なく米が貴重で、そばや里芋を足して米を食べつないで……
会津地域で昔から食べられているそばです。高遠とは信濃の地名で、会津藩主・保科正之《ほしなまさゆき》が会津藩へと国替えする際、かつて藩主となった高遠のそば文化も一緒に伝えたことからこの名がつきました。 高遠ではそばを大根のおろし汁で食べる習慣があり、これが伝わった会津でも自生する辛み大根、あざき大……