私の情報活用
福島県棚倉町 須藤芳浩さん(イチゴ・水稲)
イチゴ15a・水稲10ha本格的にイチゴ栽培を継ぐようになって4年。天敵の利用やえひめAIの散布などさまざまな工夫も積極的に挑戦中。
『月刊 現代農業』2016年6月号で、アザミウマの防除に電子図書館を役立てた話*を紹介いただいた福島県棚倉町の須藤芳浩さん。電子図書館は、診断防除コーナー以外にも、日々の課題解決の情報源として自在に活用されている。
*『現代農業』2016年6月号『異変に気づき、即日防除を決断するまで』(315ページ〜)では、診断防除コーナーの「イチゴ ミカンキイロアザミウマ」という記事を実際の防除に役立てた話を紹介しています。こちらもぜひお読みください
■知りたかった農機の操作術が動画で見られた ——農作業ビデオコーナー
そもそも、須藤さんが電子図書館に入会したきっかけは、知人から「農作業ビデオコーナー」がおもしろいよ〜。空いた時間に見ているだけでいいし。農機のメンテ術とか良い動画が入っている」と紹介されたから。入会後、最初に使ってみたのも「農作業ビデオコーナー」だった。
「農作業ビデオコーナー」は、2015年からはDVD作品もまるごと収録されるようになった人気のコーナーだ。須藤さんもさっそく定番の『イネの機械作業コツのコツシリーズ』や『イナ作作業名人になる!シリーズ』を開いて、トラクタの操作術のビデオをあれこれ見ていった。
「機械の操作ってじつは”閉鎖的な技術”。だれに教わったらいいのかなと思うことが多いんです。ベテラン農家や機械屋さんに聞いてもわからなかった操作のポイントが、ビデオでいろいろ見られて役に立ちましたよ。」
農作業ビデオコーナーについては、須藤さんと同じような感想をよく聞く。まだご覧になっていない方はいちどチェックしてみてほしい。
◇こんな感じで見ています
須藤さんと一緒に「チェーンソーの目立て」の方法を解説したビデオを見てみました
■使用する農薬のことは自分で確認 ——登録農薬検索コーナー
「登録農薬検索コーナー」も利用の機会が多いという。たとえば、やっかいなハダニ。抵抗性がついたのか、ダニ剤が効かないなと感じる時がある。そういう時「登録農薬検索コーナー」で他に効きそうなダニ剤はないかなと探してみる。
「使っている農薬でも使用時期の変更があったりします。生産履歴の記録も必要なので、使用回数も確認したり。農薬の選択と使用は、やっぱり自分で責任を持ってやらなければいけない事なので、意識して確認するようにしていますね」。
■いつか見たチキントラクターを検索 ——現代農業バックナンバー検索
「現代農業データベース」はもちろん活用している。何といっても、須藤さん一家は『現代農業』購読40年。つまりは、他の読者のみなさんと同様(そうですよね?)、自給と自作の精神に満ちている。
実際、これまでも、農文協のDVDブックを参考に「えひめAI」を仕込んでみたり、こうじやパン、ヨーグルトを手作りして楽しんだり。溶接もできて、工作や機械いじりも大好きで、トラクタは自分でメンテを重ね、大事に長く使い続けて、農機の購入は20年以上無し。
そんな須藤さんにとっては、『現代農業』に載っている実用的な知恵はどれもこれも魅力満点!だから、ふとした時に以前読んだ記事をもう一度読み返したくなる事も多い。
今までなら、記事を読み返すにはバックナンバーのページをめくって探したり、あるいは、あらかじめ気になるページの右端を折っておいたり。それが、これからは、電子図書館を使って、検索窓にキーワードを入力して一発検索!これで好きな記事をかんたんに引っ張り出せる。たとえば、こんな記事を電子図書館で探し出してみたそうだ。
●モミガラボイラー
「イネのモミガラが大量に出てもて余していたので、何か活用できないかな」と考えた須藤さん。以前読んで気になっていたモミガラボイラーの記事を電子図書館で検索してみたところ、すぐに何本もの記事が見つかった。「これを雑誌のページをめくって探すとなったらちょっと難しかったでしょうね。」
●チキントラクター
この春に電子図書館で引っ張り出してみた。さっそく自分でも作ってみる予定でいる。
「震災後、いろいろな物の自給を少しずつ増やしてきて、あとは肉と卵だけだなと鶏も飼うことにしたんです。水槽と電球で自作した孵化器で、直売所の有精卵を孵化させて、それが4年も育てたら驚くほど大きくなっちゃいました。今年雄鶏ばかりになってしまったこともあっていよいよ食べちゃおうかとも考えましたが、それも忍びなくて、ペット兼緊急時用食料としてもうしばらく飼ってみます。その際、鶏にも土作りに協力してもらえるチキントラクターは良いアイデアかなって。」
須藤さんのように、自給や自作の営みというのは、自ずとさらなる自給や自作へとつながるもの。情報満載の電子図書館は、次なる挑戦の相談相手にもってこいだ。とくに『現代農業』読者のみなさんは存分に使いこなせるはず。どうか、日々のさまざまな場面で電子図書館を自在に活用いただきたい。