新鮮なあじのたたきをご飯にのせ、熱いだし汁をかけたお茶漬けで、伊豆半島沿岸部の漁師めしです。もともとあじのたたきは、漁師が船上でとれたてのあじと味噌を混ぜた「沖なます」から生まれた料理で、東京の板前が伊豆で食べたたたきに感動し、自分の店で出して一気に広まったといわれています。 あじは適度なかたさ……
国東《くにさき》半島の南で別府湾に面する杵築《きつき》市では、新鮮な魚を使った茶漬けがさまざまに食べられています。中でもこの鯛茶漬けはごちそうで、地元で大変愛されている料理です。杵築の殿様も好み、「うれしいのぉ」とつぶやいたという言い伝えがあり「うれしの」とも呼ばれています。鯛はまず刺身を醤油で……
おかいさん(茶がゆ)は、和歌山を代表する食文化の一つです。面積の8割以上が山地で水田が狭く、米が不足がちだったため、県下ほぼ全域でわずかな米でつくるおかいさんが日常の食として受け継がれてきました。 「米1合に水1升」といわれるように、水の割合が多いのが特徴で、朝、昼、晩、やつ(間食)と1日4~5……