ぬか漬けはぬか味噌漬け、どぶ漬けなどとも呼ばれます。昭和の時代には、どこの家庭にもぬか床があり、毎日、明日の分の野菜を加えてはかき混ぜて何代にもわたって受け継いできました。長く漬かった古漬けになったら、さっと洗って、おろししょうがと醤油をかけて食べるのもおいしいものです。 八尾市などの中河内《な……
米ぬかに塩、水を混ぜて発酵させたものを漬け床として、野菜を短期間漬けたものがぬか漬けで、独特の香りが特徴です。 聞き書きの調査地である加須市、埼玉県東部低地は利根川の中流域に位置し、年間を通じて野菜が多くとれるため、保存食の必要がない地域でした。昔から物資の流通もさかんだったので、冬季に保存を目……
県中西部の佐川町《さかわちょう》には、納豆をつくり、塩納豆にして食べる、高知では珍しい習慣があります。冷蔵庫のない時代には、大豆を収穫する11月から3月のお彼岸までの冬場に限った保存食でした。塩納豆の起こりは、土佐藩初代藩主の山内一豊の時代にさかのぼるといわれています。当時、佐川町は山内家の筆頭……
漁業のさかんな島原地方の料理で、乾燥させたイギリス草という海藻を使うので、いぎりすと呼ばれます。年中食べますが、おもに冠婚葬祭の際の行事食です。イギリス草とは紅藻類のいぎすのことですが、近年はあまりとれなくなり、それに伴い、いぎりすも以前より食べられなくなりました。愛媛県や広島県など瀬戸内海沿岸……