松前町などの道南では、くじら汁は年越しと正月に欠かせないごちそうです。「くじらがくると、にしんが岸に寄る」とくじらは漁の神として崇《あが》められ、大漁への願いをこめ、また、大物になるようにと縁起をかついで食べられてきました。 くじら汁にはセリ科の山菜のにお(和名えぞにゅう)、わらび、たけのこ(姫……
大山《だいせん》山麓は、冬は降雪量が多く野菜などがとれないため、春から秋にとれた野菜や山菜は干したり塩漬けにしたりして保存する習慣があります。当時はこの保存した山菜を使った煮物はごちそうでした。煮物以外に、郷土食の「大山おこわ」の具としても利用されます。煮物に入れるこんにゃくは自家製で、畑で栽培……