まむしとは、うな丼のことです。どんぶりの蓋を開けると、たれがかかり茶色になったご飯だけが見えますが、箸を入れるとご飯の間からうなぎが出てくるのです。驚きとうれしさを感じる演出ですが、この盛りつけは現在はあまり見られないようです。今では最初からうなぎが見えた方が豪華に感じるということでしょうか。 ……
土佐の宴会(おきゃく)料理は、山、海、野、川の幸を39㎝くらいの大皿に盛り合わせた皿鉢料理です。明治中頃まで全国各地に神様に感謝して食べる「盛り鉢料理」があり、土佐では皿鉢料理として発達しました。皿鉢料理の基本は、「生《なま》(刺身)」と「組み物」です。刺身は、まぐろや旬の魚を平づくりにします。……