めはりずしは高菜の漬物で熱いご飯を包んだおにぎりで、三重県と和歌山県にまたがる熊野地方に伝わる郷土料理です。昔は茶碗3杯分のご飯を大きな葉1枚で包んだそうで、目を見張るほどの大きさからその名がついたとも、目を見張るほどのおいしさからついたともいわれます。 この地域ではどこでもめはりずしをつくりま……
山々に囲まれる県南東部の新宮市熊野川町は、山林が9割以上を占めています。林業の他、かつては石炭を掘る炭鉱も多く、山仕事などの弁当としてめはりがつくられてきました。 この地域のめはりは、ご飯に細かく刻んだ芯の部分を混ぜこみます。高菜のピリッとした辛さと、漬物特有のほのかな酸味と塩味で白飯がおいしく……
ちゃんぽんと皿うどんは中国出身の陳平順《チェンビンシュン》氏が明治に創業した「四海樓《しかいろう》」でつくられたのが元祖といわれ、長崎の歴史の中では新しいものです。冬は体が温まり、夏は暑気払いにと年中食べられています。ちゃんぽんは陳平順氏が従業員や留学生のためにつくり、出前の際スープがこぼれない……
南部地方は平安時代からの馬の産地で、祭りや玩具など馬にまつわるものがたくさんあります。馬肉鍋をはじめとする馬肉料理もその一つで、なかでも五戸《ごのへ》には馬の仲買人(馬喰《ばくろう》)が多かったこともあり、大正時代から町内に馬肉料理屋がありました。 馬肉鍋を家庭で食べるようになったのは戦後になっ……
県南の山間地域、大和高原などでは、真菜、しゃくし菜、高菜などの漬け菜が多く栽培され、その塩漬けを「おくも」とか「おくもじ」と呼んでいます。地域によっては漬物全般を、あるいは漬け菜の漬物の炒め煮を指す場合もあります。 宇陀市室生西谷《うだしむろうにしたに》では、高菜の漬物をごま油で炒め、味つけした……