房総半島の南部、南房総市の富山《とみやま》地区(旧富山町)では、農家のお昼ごはんにも手軽にのり巻きをつくって食べることがよくありました。のりは安価な「はねだし」を使ったり、近くの岩井海岸の岩場でとってきた青のりや、はばのりを俵の上に四角にして干して使ったそうです。せりの細巻きは2~4月頃、早春か……
納豆汁は秋田県の郷土料理ですが、とくに納豆発祥の地といわれる県南でよく食べられています。冬の野菜のとれない時期に、塩蔵したきのこやわらびを塩出しして豆腐、里芋、油揚げ、せり、ねぎなど具だくさんにして熱々をいただきます。それぞれ家によって入れる具も少々異なり、ふきを入れることもあるようです。 納豆……
よごしは白和えのことです。白和えというと手のかかる料理と思われていますが、都城では具は1種類で、野菜をゆでてしぼり、味噌とごまを使った豆腐の衣で和えるだけなので、手軽につくることができます。普段のおかずとして頻繁につくるだけでなく、おやつにもよく食べました。行事食でもあり、普請《ふしん》という、……