橋本市や伊都《いと》地方など県北東部の紀の川流域は、全国一の生産量を誇る柿の産地。古くから秋祭りや農繁期には必ず柿の葉ずしをつくってきました。柿の葉で包むと葉のよい香りがすしに移り、手に持って食べやすいだけでなく、柿の葉の抗菌作用で保存性がよくなります。秋祭りには重箱に詰めて親戚に持って行ったり……
柿の葉ずしは、奈良県を代表する料理で、県南部、特に吉野川の本流地域である吉野地方や五條市、川筋に近い御所《ごせ》市や高市《たかいち》郡で、田植えがすんで一息つく7月初旬から中旬にかけて、夏祭りのごちそうとしてつくられてきたものです。型箱で貯蔵するため、数日間は味わうことができました。 交通が発達……